第1回、はじめに。

私の中国旅行は今回で8回目。
生意気なようですが、中国への旅行は言ってみればライフワークと言えるかもしれません。
なぜ中国なの?と言う人もあるのですが、これも縁としか言いようがないように思います。
5年前、心ならずも仕事をリタイアした時、老後の生きがいに何か勉強しようと思いました。
もちろんそのずっと以前、現役時代から市立点字図書館の朗読ボランティアと、なにより塚原初代代表に誘われてパソボラサークル虹の一員として活動していました。
ですが、なにか自分自身の楽しみのために勉強しようと思った時、はじめに頭に浮かんだのは若い頃やった英会話をもう一度やろう、と言う思いでした。

そんな時、偶然に出会ったのが私の初代の中国語の先生になってくれた、当時福岡大学留学生であった上海出身の陳さんです。 彼女は我が家付近のコンビニでアルバイトをしていたのですが、とても感じのいい接客をする女性で簡単な会話を交わすうちに私の中国に関する関心が高まり、結局彼女を個人レッスンの先生にしての中国語の勉強を始めることになりました。 言葉を勉強すればその土地に行って見たいと思うのは自然の感情でしょう。
中国に自分の会話能力だけで行って見たいと思うようになり、たまたまその前に取引先のお付き合いで上海旅行に行った時に感じた中国の魅力も手伝い、以後毎年中国に個人旅行をするようになりました。

もう一つ、私を中国にひきつけたのは野鳥の鳴き声です。
取引先のお付き合いで上海、蘇州への旅をした際、蘇州の有名な寒山寺を訪れた時、夕暮れ近いお寺の境内に野鳥がよく鳴いたことが今も鳥好きの私の脳裏に鮮明に残りました。
中国には野鳥がたくさんいる、よーし録音しに行こう、と言うわけで目的ができると言葉の勉強にも熱が入り、言葉だけではなく中国の歴史や文化についても知れば知るほど興味が湧いてとうとう以後毎年上海を中心とした江南地方に旅するようになりました。

このようなことになったきっかけも、英語にしようか、それともハングル?などと迷っている時にたまたま知り合った陳さんと言う女子留学生の好印象が、こうして私を中国の魅力に引き込んだわけです。
なみに陳さんは福大卒業後、日本人男性と結婚して今は東京に住んでいます。近々はじめての赤ちゃんが誕生する予定で、今も親しく中国安徽省のご両親を含めて家族ぐるみのお付き合いをしています。

天安門広場での良ちゃんと奥様の写真 中国は私たち日本の文化と多くの点で共通点があります。
漢字、稲作、仏教、お茶などなど色々とあります。
皆さんご存知の通り、鑑真和上の史実はもちろん、唐の時代には遣唐使が多く向こうに渡り政治、文化を学びました。私たちの物の考え方、日常生活のうえで中国の影響は計り知れないほど大きいものです。
一方で今の中国はわが国とは政治体制、価値観などとても隔たりが大きい国でもあります。
近いのに、遠い国。知っているはずなのに分からないところだらけ。でも経済的にも急速にのしてきて無視できない強い国。
のんびりと平和ボケした日本人には油断のできない国。
いろいろな顔が見える不思議な国です。知れば知るほど面白い、これが私の中国に感じる魅力です。
偶然惚れてしまった女性がつかみどころなくて、ますます深みに引きずりこまれて行くうぶな男心といった感じでしょうか。
とまあ、こんな感じで私は中国への関心をますます深め、老いた身体と頭脳に鞭打ち、日本人から見ればいまだ混沌としている部分も多く見える中国社会への旅を続けていると言うわけです。

来年は北京でオリンピック、そして2010年には上海で万博。
経済も急加速、経済的にも体力的にも私の力では今年あたりが最後の年になるかも・・・。
そんな思いで今年5月11日妻と二人で約2週間の北京への旅行に出発しました。

以下旅のつれづれのお話は次回、第2回から具体的に書きはじめます。一般のツアー旅行では体験できない、肌で感じた今の中国の一面を知っていただけるかもしれません。
お読みくださればありがたいです。


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