どんぐりとオシドリ

今日は朝からポッカリと暖かく、風もない素晴らしい好天になりました。いくらリタイア組みとは言っても、結構しなければいけないことがある私ですが、こんなによい天気に家にいるのはもったいないような気がして、いつもの散歩コースの一つである西油山(にしあぶらやま)に録音機とカメラを持って出かけてきました。
油山全体の中でも、北側市民の森や、南側の斜面と比べて、ここ西油山は杉などの人工林が少なく、常緑広葉樹や落葉広葉樹、つまり雑木林が多い山です。
その上、市民の森のように人が多くなくて静かですから、私のように野鳥や植物などに関心のある人間にはうってつけの散歩コースです。

色々な「どんぐり」の写真です。 晩秋のちょうどこの季節は、たくさんあるドングリの仲間の木から実がどんどん落ちてくる頃です。
ドングリは、アラカシ、シロカシなどのカシの木の仲間や、コナラ、ミズナラ、クヌギ、スダジイ、マテバシイなどの樹木になる木の実の総称です。
皆さんはドングリがパラパラと落ちてくる音を聞いたことがありますか?今日のように風のない日でも、いや風がない日だからこそよく聞こえるのですが、高さ10メートルから20メートルもの高い枝先で熟して、さらに乾燥が進んだドングリたちは、やがてハカマやカラから外れて地上に落ちてきます。
ドングリが落ちてくる音は、木の種類によっても、また実の大きさや重さが違うことによっても、それぞれ違います。その上、落ちる途中の枝や葉っぱに当りながら、また地上近くの枝に当たったり、地面に重なった乾燥した落ち葉にぶつかったり、じつにさまざまな音がします。
簡単にひっくるめて言えば、特別大きな雨粒が林の中を、落ちてくる音といった感じでしょうか。パラパラ、バラバラ次から次へと落ちてきて、なんだか森が鳴らして奏でるパーカッションといったところです。今日はいつものように録音機を持っていたので、このドングリが落ちてくる、降ってくる音を録音してみました。
ここをクリックしてどんぐりの落ちる音を聴いてみてください。

さて、ドングリと言えば、今日はさらにもう一つの珍しい音、と言うか野鳥の鳴き声も録音することができました。
ドングリを録音した場所からさらに林道を登っていくと、林道脇に直径が40メートルほどの、林にすっぽりと囲まれた池があります。
この池に半月ほど前から気がついていたのですが、十四、五羽のオシドリが今年も来ています。いつもは警戒心が強くて道からは反対側となる池の奥に隠れていることが多いのですが、今日はラッキーなことに池の手前側で鳴き声を盛んに上げて餌を摂っていました。
先ほどなぜドングリと言えば、と書いたのかといいますと、じつはオシドリたちの大好物はドングリなのです。今日オシドリがいた池は周囲がドングリの木に囲まれていて、この季節は池の岸辺や水面に盛んに実が落ちる季節なので、それでオシドリたちがやってきている、と言うわけなんです。
今まではなかなかうまく録音できなかったオシドリたちの鳴き声も、今日はドングリのお陰で良い録音が取れました。 ここをクリックしてオシドリの声を聴いてみてください。

ところでオシドリの声は、北九州の山口まさのりさんの録音では毎年登場するので、覚えている方もあるかと思いますが、じつに意外な声で鳴きます。
ご存じない方にも、ご存知のかたにも、来年の「鳥好き良ちゃんの・声の野鳥だより」でお聞かせできると思います。ご期待ください。
そんな訳で、ドングリとオシドリたちに、半日を楽しく遊ばせてもらった、暖かくて幸せな今日の私でした。
皆さん、この季節は気温の高低が大きいので、カゼなどにどうぞご注意され毎日をお過ごしください。

最初のベンチへ戻ります。